逃亡記録⑥

普通に取り繕う努力はしたのだから、どうしようもない部分に関しては目を瞑って欲しかった。

家が貧乏で、学校に通うため半日学校半日バイトの毎日送ってるって、その時点で余裕なんかないのわかってただろうから、それ以上を求めるのはやめて欲しかった。

一生懸命辛さを隠して普通に合わせて生きていたけど、普通とはかけ離れ過ぎていてどうにもこうにも続くもんじゃなかった。

働きもしないのにお金があるのが当たり前の人、学費を出してもらうのが当たり前の人、バイトをしなくても生きられる人、学校に当たり前の顔して通ってる人、そんな人たちに合わせるのはもう無理です。どれもぼくには必死に努力しても掴み取れない"当たり前"だから。